少子化や核家族化が進み、お経を聞く機会も段々と少なくなっているような気がします。

普段、何気なく聞いているお経。お経は宗派によっても違いがあり、お経の意味を理解して聞かれている人は少ないのではないでしょうか。特に読経は聞き慣れていないと何を言っているかさえ分からない。

でも、お経にはちゃんと意味があります。意外と知らない人も多いのではないかと思い書いてみました。

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お経は故人に死を知らせるために唱える

お経を唱える

生まれ変わりなどを信じていたり、死後の世界があると思っている人は、比較的、亡くなったことを早期に感じ取り、お迎えと共にあの世に旅立っていきますが、大部分の人は死後の世界も生まれ変わりも信じていません。

自分が亡くなっても死んだという自覚が持てずに、自分のお棺の傍にいたりします。「これは夢に違いない」そう思い、葬儀の場所にボ~ッと佇んでいる故人も。

そういう故人に「あなたは死んだのですよ」と何度もお経を唱えることで分からせていくのです。

本来、お経はお釈迦様の教えにあるように生きている者が先祖を偲ぶためのものですが、お経には死者に語りかけ、死んだことを分かってもらい、少しでも早く成仏してもらう意図もあるのです。

ある意味、亡くなった本人が自分が死んだことを悟っている場合は、葬儀は不要と言っていいでしょう。

上述した通り、大半の人は死んだら終わりだと思っています。そのため、自分が死んでもなお意識があることを受け入れることに時間がかかるのです。

よく自殺をした人が、死んでいるのに自分が死んだことが分からずに、何度も同じ場所で自殺を繰り返すという話もあります。

長い間、成仏できないことで地縛霊になってしまうこともあるのです。

法要は故人に死んだことを悟らせるためのもの

死んだことを悟る

初七日、四十九日、一周忌、三回忌…と法要は、何度も行われます。

法要も故人に亡くなったことを悟らせると同時にこの世に未練が残らないように段階を踏んで行っていくのです。

四十九日が過ぎるとあの世に向かうとされています。子供を育てるように定期的に故人を偲ぶことで、故人の願っていたことや、して欲しいであろうことを遺族が行うことで供養をしていきます。

何度もお経を唱えることで、故人が少しずつこの世に対する未練を捨てて成仏していきます。

お坊さんに聞いたのですが、初七日のときが一番故人の思いが強いそうです。それが、法要を重ねていく度に徐々に薄れていき思いを感じなくなっていくとか。

事故などで亡くなってしまった場合は、その現場にずっといることがあります。その場合は現場に出向き、故人に亡くなっていることを分かってもらわなくてはなりません。

霊を自宅に連れ戻すという言い方が一番合っているかもしれませんね。

故人がいない場所でお経を唱えても意味がないからです。

それはそうですよね。

誰もいないホールで歌を歌うようなものです。

ちゃんと相手がいる場所でお経を唱えて、死んだことを分かってもらうことが必要になります。

そういう事情を知らない遺族の方は、お坊さんが故人の亡骸があるのに「故人がいない!」と叫んだらびっくりすることでしょう。しかし、これは実際にあることなのです。

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お経は生きている人のためにある

祈り

本来、お経は遺族が故人を偲ぶためのものです。

生きているときにお経などにまったく関心がなく、お墓参りもしなかった故人が、亡くなってから急にお経をありがたがるということはありません。

遺族が故人を偲ぶ気持ちが届くことはありますが、死者を供養するお経はチベット仏教の「死者の書」だけと言われています。インドではそもそも、人は生まれ変わるものという定義があるので、先祖供養という考え方が存在しません。

お経は教えとして、私達が現世の苦しみから離脱するためにあります。

般若心経などはその代表的なお経になるのではないでしょうか。

諸説ありますが般若心経は空の思想を説法した経典と言われています。

「不変を求めることで不変があると錯覚することで真実の間にずれが生じる。そして苦悩が生まれる。人は真実を知れば安らかに生きることができる…」

般若心経は短いお経なので覚えておき辛いときや悩んでいるときに唱えるといいかもしれません。

邪をはねつける効果もあるようなので、嫌な感じがしたときや背筋がぞ~っとしたときに唱えるといいでしょう。

私は、生霊にちょっかいを出されたり、霊に触れられたりすることがあるので、怖いときは般若心経を唱えています。

最後に

あの世

まるかんの斎藤一人さんが、「死んだら白い球が現れるから、普段と変わらなくても白い球が現れたら自分が死んだと思い、そっちに歩いて行くんだよ」と動画で話されていました。

輪廻転生や前世などが少しずつ解明されてきていますが、まだまだ未知の世界です。

ただ、自分は死んでも消滅しない、意識もあり行く世界があると知っておけば、死んでもすんなりと別の世界に旅立てそうですね。